In bocca al lupo!

イタリア生活の思い出と日記です。

数字か感覚か?

こんにちは。シーズンが再開して怒涛の勢いで各地でレースが再開しております。ワールドツアーの選手は毎週どころか、週2回レースがある(しかもワンデーのエグいやつ)とか普通なので、恐ろしいですね。落車も増えています。昨日のツールドポローニュ、惨劇でしたね…無事を祈るばかりです。

 

さて今回は数字か感覚か?という話題で、パワーメーターの使い方について少し書いていこうかなと思います。今となってはアマチュアレーサーでも必需品とまで言われるようになったパワーメーター、たくさんのパワトレ本も出ています。実際、僕も何冊かもっています。

※今回の話は僕一個人の経験からの推測と主観的感想です。事実ベースで書いていますが絶対的な正解を導き出したものではありませんのでご容赦ください。

 

まず前提として、パワーデータという情報が増えることに関してはあった方が良いと思っています。その辺りも踏まえて読んでいただけると幸いです。

僕はパワーメーター自体を本格的に導入したのは昨年のシーズン終盤くらいからで、周りに比べるとかなり遅めの導入でした。そして新たな指標として使い始めてから数週間経ってのこと…

「週間TSSはそこまでなのに踏めない!」

という数値上は回復してるのに、体感、もとい体の感覚もおかしいという不調に陥りました。そこで数値で管理するだけでなく従来のように感覚や心拍データから総合的に判断するのが大切だということに気付き、簡単な日記をつけ始めました。それは体感的疲労度を5段階、CTLや週間TSSの溜まり具合で回復時期を判別するという方式です。

何故、数値と体感のズレが生じるのか?考えられる原因として

 

①パワーメーターはトレーニング中のみのデータしか残せない→日常生活を無視している

FTPなどのパワーデータと本当の値(その日の絶対値と最高値との差)の乖離

③計算式自体の問題。

④パワーメーターのハードウェアの問題(温度や気圧の影響)

 

4つが主に考えられましたが、これだけの問題を孕んでいるのにも関わらず、数値だけで己の状態を把握するのは早計だと思いました。

例えば、体感的な疲労度はマックスなのに、TSSは50程度のライドしかできなかったとした場合、②の問題を考えます。FTP値などは自分のマックスの状態のデータ、というのもFTPテストは完全に回復させた状態で20分の最高値×0.95を記録します。ですが、それを基に考えた場合、明らかに普段の練習というのは強度の低いものになり、数値上のデータを頼りにするだけでは明らかに情報不足なのです。日々状態の変わる身体に対して、その日その日のベストデータを測るというのは不可能なので、その他のデータ(心拍数、血液状態、食事や体温etc…)から総合的に判断する必要があります。

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決して否定派ではありませんが…

では何故パワーメーターを使うのか?もちろんトレーニングの選択肢を増やすことも目的ですし、その日のデータを記録し、自分の成長を図る手段として適しています。区間タイムなどは天候など第三者に左右されることが多いですが、パワーメーターだとその差は小さいもの抑えることができます。タイムトライアルの際のペース配分にも大きく役立ってくれます。

 

レーニングやレースでも、パワーメーターでの数値を高くすること、平均パワーを上げること「だけ」が目的になってしまうと、肝心のレースの際に役に立たないことも多いです。そもそも、パワーは低く、スピードは速い。というのが最も効率よく、上手に走れているということです。実際、「〜W出てたのに千切れた」「FTP〜倍しかないけどレースで勝てた」という枕詞が存在するのも、その証拠だと思います。あった方が良いに越したことはありませんが、パワーメーターの使用は目的ではなく手段である。というのが今の僕の見解です。

 

何かの役に立てばいいなとも思いますが、パワートレーニングに関しては僕よりはるかに博識な方々の書いた本やデータが沢山あるので、そちらを参考にしてください(笑)。

 

では今日はこの辺りで失礼します。引き続きチェック&シェアよろしくお願いいたします!